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少年は森にいた。 まだ幼く見える彼は、両手に持った矢筒(やづつ)を抱き締めるように抱え、不安そうに辺りを見回していた。 その軽装、矢筒の中の残り少ない弓矢の本数、そして見た目相応に頼り無げな様子から、少年が誰かとはぐれてしまったのが分かる。 彼は父親と狩りに来ていた。守り人たる父親は弓術士という職業で、弓矢の扱いに長け、この日も子供の彼に狩りの仕方を教える為に二人で来ていのだ。
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