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何事も無い内に、父親が助けてくれるのを願う少年。 生い茂る、けれども頼りない草葉の影に隠れるようにしてひたすら待つ。 やがて、少年の耳に足音が聞こえてきた。 来た、迎えに来てくれた、父さんだっ。 少年はそちらを目で確認する事なく振り向いた。 あまりの不安、恐怖からの解放。安心感を得てそれを確実な物とする為の、より堅実に目に見える確かな安全という名の父親。絶対に、無条件に信頼してしまえる存在を求めて。 「っ----」 しかし少年が見たのは、怯え震える自分を見つめる、見た事も無い魔獣だった。
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