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店長さんはそれだけ言うと颯爽とカウンターの中に移動してしまう。“モデル”等と言う不吉な単語が出ていて雲行きが怪しいとは思ったけれど、仕方なくしう姉ちゃんに近付く。 「お、さすが早いわね。」 しう姉ちゃんは私に気が付き満足そうにニッコリ笑う。話し込んでいた人は振り向くと私を見てアッと声を上げる。 「久しぶりだね、美世理ちゃん。覚えてる?」 その人は姉ちゃんの高校時代の仲の良い友達で、家に何度も遊びに来ていたのを思い出す。多分美術系の専門学校に通った後タウン誌の編集に携わっていると言っていた気がする。 お久しぶりです、と頭を下げてチラリとしう姉ちゃんを見る。 「実は今日はミウとっても重要な表紙の撮影を手伝って貰おうと思って。」
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