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「確かに化粧すると変わるけれど、想定内だからね。」 これもミウなんだよ、としう姉ちゃんは笑うけれどそれは家族だからであって、普通は同一人物なんて思わないと思う。化粧だけじゃなくて服装だって普段と違えば、どこか似ている他人だって思うはず。 自分なら選ぶことなんて絶対になかったドレスに身を包んだ化粧をした私はやっぱり他人だ。 「さて、とりあえず今日の仕事は終わりだからこのまま出掛けよっか!」 物思いに耽っていた私の肩を叩いたしう姉ちゃんは恐ろしい事を口にすると上機嫌でメイク用品を片付け出す。 「え!」 我に返って大きな声を上げた時には既にしう姉ちゃんは大きなメイクボックスを手に美容室の奥に引っ込むところだった。 そして、片付けに忙しそうな岬さんと店長は微笑ましそうな顔で私を見て大丈夫だよと他人事のような慰めを口にした。
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