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「どうせなら行った事ない所に行こうよ。」
と軽く提案したしう姉ちゃんが岬さんを巻き込んでやって来たのは“クラブ”だった。
身分証を見せて、あたふたしている間にしう姉ちゃんに手を引かれて中に入る。薄暗い店内は思った以上に広くて混雑している。
よく分からないままに連れて来られたバーのカウンターで飲み物を注文して、岬さんが見つけてくれたテーブルに到着して椅子に座った私は既に疲労困憊だった。
二人は比較的ラフな格好をしていて、想定していたかのように光物を身に着けてフロアに馴染んでいるが、私は明らかに浮いていた。
いつもの服装よりもマシかもしれないが、露出度の高い煌びやかな女の子達から見たら異質だ。
お洒落なバーとかだったら良かったのに、と今更思ってもあとの祭りだった。
「どう?初クラブは。」
「帰りたい…」
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