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ふらふらと彼のいるテーブルに近付いて行く歩を自分でもどうする事も出来ない。
あと3mという所で彼が私に気が付いた。
奥二重なのか一重なのか分からないけれど、大きな切れ長の瞳が私に向けられる。
その印象的な瞳に吸い込まれそうになる。
でも、投げ掛ける視線は綺麗な分鋭くて、睨まれている訳ではないのだろうけれど心が萎縮した。
「何か用か?」
間近で見る彼は想像以上に美しかった。
白金に染めた綺麗な髪に真っ白な決めの整った肌。細面の整った顔立ちをしている。大きな口元にあるほくろが色っぽく彫刻の様に美しいのだけれど、口を開くと低くて響く声で、やはり男の子なんだと思う。
最初は訝しげな顔で私を見ていた彼は、ちょっと眉を潜めた後に唇を歪めた。
「何だ、と聞いてる。」
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