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彼の声が耳元で聞こえてハッと我に返る。
既に私は彼の目の前まで迫っていて、そして彼の顔は私の耳元にある。
「一緒に踊りたい。」
尋ねられた言葉に何と返そうか考えるよりも先に私の口が飛んでもない言葉を発した。
「は?」
その言葉は彼にとっても予想外だったようで、素早く顔を引き眇めた目で私を真正面から見た。その瞳は面倒臭そうだけれども、少なからず私に興味を持ってくれたようだ。
「踊った事はないのだけれど、貴方の踊りがとても綺麗で楽しそうだったから私も踊ってみたい。」
突拍子もない事だけれど、でもこれは本心だ。
「ふーん。」
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