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そんな話を聞いている間も私の心臓はドクンドクンと音を立てていて、彼の事を思うと胸がギュッと締め付けられるように痛かった。 「ミウ聞いてる?」 しう姉ちゃんは呆れた顔で私を見る。 「聞いてる!」 「どうしちゃったの?さっきから惚けちゃってさ。まさか一目惚れ?」 「へ?」 「ちょっと顔が真っ赤だよ!」 しう姉ちゃんの言葉にハッと我に返る。これが一目惚れ? 自覚はあるようなないような。ただ私は彼の踊りに見惚れて、彼の大きな切れ長の瞳に魅入られて、それ以外は何も考えられなかった。 「一目惚れ?なのかな。」 「何よ、そんなの私に聞かれても分からないわよ。」
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