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「ミウ~、これが最後の段ボール?」 しう姉ちゃんの声が車の方から聞こえる。 「紫羽子(しうこ)の運転で大丈夫か?」 お父さんの心配そうな声を背中に受けて、私は苦笑いをして玄関から顔を出す。 本日、私“工藤美世理(みより)”の引っ越しの日。 引っ越しと言っても、四年前から一人暮らしをしていた“しう姉ちゃん”こと工藤紫羽子の家に居候するのだが。 荷物も、洋服と大学で必要な物のみをしう姉ちゃんの新車に積み込み、お父さんがハラハラする中、しう姉ちゃんの“若葉マーク”ばりの運転で運んでもらう事になっていた。 私は今年の春から大学二年目で、ちょっと中途半端な時期の引っ越しになる。
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