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「(まだ霊には謎が多すぎる…もっと情報が欲しい…ルチアの記憶でかなり前には進めるだろうが、それでようやくスタートラインだな…)」 ウルが集中して考え込みそうになる前にセインはある事を話した。 「さ、最近色々な所から、へ、変な気配を感じるような気がして…」 「変な気配?」 「は、はい…今みたいなもやもやした気配を感じる時が何回か…あ、ですけど今よりど、どんよりした気配といいますか…い、嫌な感じがしました…」 それを聞き、手を顎に当てて考え込む振りをしながらルチアに目配せを送る。 すると、ルチアは先程とは違う面持ちで頷いた。 「またそんな事があったら教えてくれ、その気配とやらに少し興味がある」 「は、はい!もちろんです!」 「ん?」 先程まで教室に向かう生徒達で騒がしかった廊下はいつの間にか静かになり、その静かになった廊下の先から走ってくる人物がいた。 「ヴィジョン先生」 スーツの上に白衣を纏い、ウルの黒髪と同じくこの国では珍しい紫の髪をしているこの学院の教師の一人であり、二人が訪ねようとしていた人物だ。 「よかった、二人共!」 ヴィジョンが二人に駆け寄ると、二人に、一枚づつ紙を手渡した。 「『対抗戦』のルールをまとめたプリントだ、ちょっと仕事が入ってしまったからこれに目を通してくれ。わからない部分があったら後日聞く!」 そう言うとヴィジョンは二人の脇を通り、時間が惜しいと言わんばかりのスピードで走っていった。 「せわしないな…」 「で、ですね…」
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