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ニズは若干、拍子抜けしたような声で聞き返す。
「指輪?」
むっつりとした顔をしているサーツも少しだけぽかんとした顔になっている。
「ああ、指輪だ」
その問いに、もう一度同じことを言う。
すると、ニズたちは脱力したように肩を落とす。
「まあ、いいさ。取り敢えずその指輪とやらを貰おうか」
緊張が解けたニズは、ゆっくりと歩き出す。
シークとニズの間は徐々に縮まっていく。
その時――――
【少年よ、共に堕ちよ】
その時、空から声が落ちてきた。
表現がおかしいとも思えるが、そう例えるしかないように声が聞こえてきた。
「声っ!?」
新手が来たのかと驚き、シークは上を見上げる。
だが、上には遺跡の天井があるだけで、他には何もない。
ニズはシークのその行動に呆気にとられている。
つまり、ニズには声が聞こえていないのだ。
聞こえているのはシークだけ。
【我を手に取れ、我と共に堕ちよ】
また、聞こえた。
しかし、今度は声と同時に後ろ――箱の方から強い気配を感じた。
そこには、黒く光っている指輪があった。
「…………」
さっきのようにまた、手を伸ばす。
その光には気付いたニズが全速力で駆けてくる。
だが、それよりも先に指輪を手に取り、指に填める。
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