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結界を解いた後、すぐに傷を確認する。
けれど、思っていたほど傷は多くなく、浅かった。
多分、魔法か何かで眠らされたのだろう。
そして、毒であるならば苦しんでいる筈だからその可能性はない。
「んー……解除魔法とか覚えとけばよかったな……」
真面目にどうするべきか、悩み始める。
そして、そのまま20分程経過した。
「ぅ……ん……」
ジオが目を覚ました。
ニズたちは事が済んで、逃げた頃に起きるように計算していたのだろう。
目を覚ましたことに気づくと、すぐさまシークは声を掛けた。
「ジオ、大丈夫か?」
「ん……ああ……っ、アイツらは!?」
意識が覚醒すると同時に思い出したのか、慌てて起き上がるが、傷が痛んだのか顔をしかめた。
シークはジオを支えながら、問いに答える。
「あいつらなら帰ったよ」
「帰った?ってことは何か盗まれたのか……?」
ジオはシークの手を借りながら、ゆっくりと立ち上がる。
「いや、盗まれた物はなかった。まあ、取り敢えず、この話は帰ってからにしよう。今は傷を治した方がいいだろうからさ」
少年は怪我をした少年に肩を貸し、入り口に向かって歩を進めていった。
――――
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