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「あーあ、行っちまったな」
ジオの歩いていく姿を見て、苦笑しながら軽く溜め息を吐く。
そして、後頭部を軽く擦った後、扉を潜り、走って追いかける。
「おい、ジオ!待てよ!」
「あ?何だよ?」
全力で走って追い付いたシークは、すぐに声をかける。
するとジオは立ち止まり、ゆっくりと振り返った。
シークは振り返ったのを確認してから、続きを言う。
「一緒に行こうぜ?」
「先に言っとくがオレは本当に怖くなんかないぞ」
歳上であるというプライドのためか、強がって言い返してしまう。
言ったあとすぐに後悔するが、顔には出さないようにする。
「わかってるよ。でも、1人で行くなら一緒に来た意味ないだろ?」
だが、シークはその返事が来るとわかっていたのか、即座に言い返す。
これは、何を言っても言い返されるパターンだな……。と幼なじみの癖を思い出し、言い返すのを諦める。
「……お前って、たまにオレよりも大人びてる時があるよな」
「そうか?気のせいだろ。それより、早く行こうぜ」
伸びと欠伸をして、ジオの方を横目で見る。
「フッ、そうだな。先に進もう」
褒められても、嬉しがることも照れることもしないシークを見て、軽く笑うと歩き出す。
「ちょっ、何で笑うんだよ」
急に歩きだしたため、慌てて追いかける。
「気にするな。思い出し笑いだよ」
「こんなタイミングで思い出し笑いとか、絶対に嘘だろ!」
2人はからかったり、からかわれたりしながら奥に進んでいった。
――――
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