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少年たちが入っていってから少し経った頃、3つの人影が扉の前に立っていた。
「おや、噂では閉まってるって話だったんだけどねぇ」
腰に短剣を備えた赤髪の女性が腕を組みながら扉を眺めている。
その隣で眉間に皺を寄せて不機嫌そうな表情をしている、漆黒の大剣を背負った男がそれに応える。
「今までに来た者が開けたのだろう?」
「えと……その、そ、それはないと思います。ぼ、ぼくが集めた情報では何をしても扉は開かなかったらしいので」
身長100センチあるかないかの少女がフードを深く被り、恥ずかしそうにしながら男に言う。
そのやり取りを聞いた赤髪の女性は顎に手を当て、扉が開いた理由について考える。
「うーん、わからないねぇ」
「他の者が持っていないもの……例えば、何か鍵のような物があった。そう考えれば別におかしくないと思うが?」
男は相変わらず苦虫を噛み潰したようにむっつりとした表情のまま。恐らくこの表情が基本なのだろう。
女性はその考えを聞き、ある答えに辿り着く。
「まあ、つまり情報もないし、考えても無駄ってことだね。さっさと入って財宝を盗んでいくよ」
「い、いつも通りの適当ですね。そ、そこがいいところなんですが」
「俺の意見は無視か……まったく、お前の思考には毎回呆れさせられるな」
女性が扉を潜り、遺跡に足を踏み入れると少女たちもその後を追う。
――――
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