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ジオが探知の魔法を発動してから数秒が経過した後、やや楽しげな表情でシークは問いかける。
「どうだ?」
「多分、この遺跡にかけられているのは魔法……のはずだ」
ジオは茶色の瞳で周りを見ながら、かなりあやふやな答え方をする。
その答え方に疑問を覚えたシークはすぐに聞く。
「何で、そんな曖昧な言い方なんだ?」
「いや、魔法なんだ。けど、構成が複雑すぎる……。現代の魔法とはかなり違う」
もう一度辺りを見回した後、魔法を解いて瞼を閉じ、目を休ませる。
「これが能力なら構成が複雑でもおかしくはない。けど、これは確実に魔法だ。信じがたいがな」
さらに、自らの考えを口にする。
「そして、これがある限り、次の部屋には行けないだろう」
「……どうすれば解くことが出来る?」
考えを聞き、軽く思案した後、目を瞑ったままのジオを見る。
ジオもシークが考えている間に自分なりの策を練っていた。
「わからない。だから、オレの能力を使ってみる」
「ジオの能力……侵入か」
ジオは首を縦に振り肯定し、左手の人差し指に填めている指輪を顔の前まで動かす。
この指輪は能力を制御、強化のためにも使われている。形状は人それぞれだが、一般的には装飾品の形で用いられる。
自らの力の一端が込められた指輪を見つめ、その能力を具現化するようにイメージし能力を使用。
だが……
「っ、弾かれた……?」
侵入を使用した瞬間、通路に掛けられた魔法が能力を無効化してしまった。
その一連の流れを見ていたシークも何も言えなくなる。
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