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「幽霊じゃない、人間だ…安心しとけ」   「人間…どういう事だ」   「辻斬り…と言えば分かりやすいかな…」   そう言って白山は再び目を閉じた。   辻斬り…なるほど、通り魔退治か。   自治体か何かに頼まれたのだろう、黒田は納得すると白山と同じく腕を組んで辻斬りを待つ事とした。   そして白山と黒田が総合運動場に訪れてから、既にかなりの時間が経過していた。   「ハズレなんじゃねーのか、白山さん」   「いや、いる…結構前からこっちの様子を窺ってるよ」   黒田は白山の言葉に反応する様に周囲を見回した。   「何処かに隠れている…てことか」   黒田はチラリと白山を見た、白山は無言で頷く。   ―――ジャリ…   黒田は足音のした方向へ構えをとった。   「どいてろ黒田、お前は見学だ」   閉じていた目を開き、組んでいた腕を解いて黒田の前に出る。   「お前が辻斬りか」   その人影は大柄な黒田や白山よりも大きく、そしてガッチリとした体格だった。   目深に被った帽子の向こうから、鋭い視線と共に殺気が込められている。
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