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黒田は、彼等の構えに違和感を覚えた。
足が逆じゃないのか?
「律義ついでに名前を聞いていいか?俺は白山魅導、アンタと同じく武道家だ。」
本来左足が前に、右足が後ろというのが、利き足の関係から考えて基本のはず…
それが二人とも右足が前に、左足が後ろにという状態だった。
「高崎…真、だ―――」
帽子の高崎は呼吸と共に更に沈み込んで白山の懐へ飛び込む。
次の瞬間、白山の視界を何かが塞いだ。
高崎の帽子だった。
タックルと同時に投げていたのだ。
―――捕った。
そう確信した瞬間、高崎の顔面にも何かが迫っていた。
「うぉおっ!」
高崎は、とっさに体を捻り、転がる様に距離を取った。
当たれば顔面が吹き飛んでいたかも知れんな…
それは白山の拳だった。
コンクリートの地面に、小さなクレーターが出来ていた。
黒田は動けなかった。
何だ今のは…
何故触れてもいない地面が砕けた…?
拳圧?ばかな…
しかも…アレをかわすかよ。
「…!」
高崎は左頬に手を当てる、ザックリと切れていた。
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