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「高崎…なるほど、あの高崎か…」
一人で納得した様に白山が呟く。
「辻斬りにしてはやるな…白山魅導、と言ったか」
「ん?何だ…辻斬りはお前だろ」
白山の『気』が萎む。
高崎も構えを解く。
「どういう事だ…」
「こっちが聞きたいね、俺は辻斬り退治を頼まれてな…アンタはどうなんだ?」
「師匠の仇討ち…だ」
高崎は静かに語り始めた。
一週間前、白山同様に辻斬り退治を頼まれた、高崎の師である深宮正弦(ふかみやせいげん)が殺された。
両断された深宮は戦いの前に高崎へ皆伝の免状を送っていた。
高崎は道場を門下生に預け、辻斬りを追い始めた。
そして今日に至った。
「なるほどな…」
「魅導さん、どうするんだ?」
ベンチに座った白山に黒田が尋ねる。
「もう少し待とう、おそらく現れる…」
「それなんだけどさ…俺に考えがある」
黒田は白山と高崎を交互に見て、自分の策を説明した。
「面白いな、やる価値はあると思うぜ」
「無理だ、殺されるぞ」
白山と高崎の反応は正反対のものだった。
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