中学1年生~秋~

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気づけば夏休みも終わり学校が始まった。 みんな夏休みは楽しんだようで日に焼けていた。 オレも黒くはなったけれど、遊びというより部活焼けだ。 学校が再開してからも上田とは話すこともなく時間だけが過ぎていた。 話したいと思いながらも勇気のでない自分が情けなくなる。 自覚する前は、あんなに自然に話せたのに。 話したいと思えば思うほど、意識し過ぎて逆に話せないとか……乙女かオレは! そうは思っても、自然に近づいて話しかけるキッカケも見つからない。 考えれば考えるほどに、どんな態度もわざとらしく見えるんじゃないかと思えてくる。 ……オレ、かなり情けねー。 そんなオレの気持ちは露知らず、いつも笑顔な上田。 隣の平野とはよく話してるのを見かける。 ……ってか、見てしまう。 あーあ……オレ何やってんだろ、本当。 手元の刷毛で思いっきり不満を込めて塗りたくる。 今は放課後、来週に行われる文化祭の展示物を作成中だ。 他のクラスも色々考えてるみたいだけど、1ーDは御輿にした。 美術部の奴が中心となってデザインしたものを、見本に近づけるように作っていく。  
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