男装腐女子ちゃんのBL事情

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渡部 祐、中学三年生。 BLを愛しすぎて死にそうだった日々。 BLを愛しすぎてしまい、もう生BLでないと萌えきれなくなってしまった。 だが生BLなんて中々なく、いつも似たようなBLビデオで萌えを発散。 ……しかしそんな日々とももうおさらばだ!! ついに… ついに、今日、俺は萌えの天国に行って参ります!! 「こっ、ここが名門の紅葉高校…。BLの匂いがするぜ…!!」 今日は日曜日。 萌え死ぬ覚悟を決めた俺は兄貴の車で例の男子校に来ていた。 着いた所を見渡せば、なんというか、もう、本当のイケメンパラダイス!! 校門も校舎もばかでかい。 校門を入ってすぐ、なんと泉がある。 兄貴を落としたら綺麗な女神と共に金の兄貴と銀の兄貴が出てきて「あなたが落としたのは金のお兄さんですか?それとも銀のお兄さんですか?」とか聞いてきそうな綺麗な泉だ。 「おい、見とれてないで行くぞ、とりあえず屋台で何か食おうぜ」 うん、と返事をして俺は慌てて兄貴の側へ行く。 実は校門の辺りからすごい数の屋台が並んでいるのだ。 普通校舎じゃないのか?と思ったがどうやら兄貴に聞くところだと生徒数が多すぎて入りきらなかったらしい。 しかもクラス単位で店を開いていないらしいから余計に屋台や店は多くなっている。 そして屋台にはイケメンが星の数ほどいる。 なんだこれは素晴らしすぎるだろ!! 「顔整った子ばっかだなあ。どの子の屋台行きたい?」 おいおい…。食い物じゃなくて顔で屋台決めんのかよ…。 敢えて口には出さず心の中で突っ込む。 「んー……、あ、あいつとかどう?前髪長いし裾で手隠してるしワンコっぽい」 唸りながら辺りを見渡すと長めの焦げ茶で目を隠している犬の様な生徒が見えた。BL風に言うと見た目はワンコキャラだ。 「えー、ポテトかあ。俺今たこ焼きって気分なんだけど」 はっ、はあ!? 「 知 る か ! ! てかお前が最初に顔で選べって言ったんだろーがクソ兄貴まじありえない。馬鹿の域を素晴らしく越えすぎだろまじ笑えない」 「ひっ、ひどい言われようだな俺…」 ぐすん、と涙を拭う兄貴をスルーして再び周りを見渡す。 しょうがねえ、たこ焼きの所に行ってやろう。 こいつ根に持つタイプだし。
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