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ここで待つべきか、それとも探しに行くか
僕がどっちがいいかと迷っていると、背後の草むらがガサガサッと動いた。
大きく肩を揺らして振り向いた。
な、なに…
不審者…?
だ、だったら捕まえなきゃ
怖くて足が竦む…
僕は思いきって音がした所に突っ込んだ。
「何をしている!」
「…あっ…」
そこに居たのは子犬を抱えた城木だった。
僕は驚いて一人と一匹に駆け寄った。
「こんな時間に出歩いてはいけないはずだが?」
「……くうちゃん、寂しそう…連れて、く…」
「ペットは立ち入り禁止だ」
城木はぎゅっと子犬を抱き抱えて走り出そうとした。
「あっ、おい!待て!」
俺は慌てて城木の腕を掴んだ。
腕の中の子犬が寂しそうに鳴いた。
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