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「かいちょ…離し、くうちゃん…可哀想…」
「駄目だ。見過ごす訳にはいかない」
可哀想だって知ってるよ…
けど、この学園は動物は立ち入り禁止なんだ
…だからこっそり飼ってるのに
「…かいちょ…」
観念したように城木は項垂れた。
ごめんね…城木
どうすることも出来ずにいると遠くの方から声が聞こえた。
どうやら桜井が僕を探しているようだ。
僕がそっちに気をとられていると何かが頭に乗った。
ふわふわしていて重みがあって息が荒くて…
「…くうちゃん…!」
城木が手を抜くと子犬を呼んだ。
ふっと軽くなったと思うと走り去る城木の姿が映った。
「あ、こら!城木!」
まさか子犬が頭に乗るなんて
そんな漫画みたいなことあるわけ…
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