二章

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「なにがええん?」 「僕の妹で」 ……。 なに言っとるんかな、こいつは。 「輝生ちゃんは僕の妹♪吉田輝生。あ、妻でもいいよ?」 「いやや!!」 馬鹿かこいつは。 私が“冬堂”の名、捨てるわけないやん。 「なんで?その方がいろいろ都合良くない?」 どの辺がいいのか教えてほしいっちゅーねん。 「嫌なもんは嫌や。絶対嫌」 「えぇ…なんでよー」 しつこいなぁ、稔麿は。 「私は雪舞の一人しかおらん後継者や。雪舞と一緒に受け継がれてきた冬堂の名を捨てるわけあらへんやろ」 「ふぅん…」 なんや理由聞いたくせに! んなつまんなさそうな顔すんなや! すっごい真面目なこと言った私がなんか恥ずかしいやん! …稔麿に比べて桂は…。 「素晴らしい!見事な誠の思い…惚れた!俺の妹になれ!」 「お前話聞いとったか!?」 うん、阿呆決定。  
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