三章

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「桂ーっ……暇ぁ」 料亭“風車”に住み始めて早七日。 毎日豪華な食べ物が出てきて、むっちゃ嬉しい。 ……やけど。 「ひぃーまぁ!」 稔麿が外出たらあかんとか言うから、かなり退屈な毎日や。 そのくせ稔麿は毎日どっか行っとるし! なんなん、ほんま。 「もうすぐ稔麿も晋作も帰ってくる」 「どうでもええわ、あんな奴等。なぁ、なんで外出たらあかんの?」 「んー?…危ないからな、京の町は」 「そんなん大丈夫や。私強いから」 「だからだ」 「?どういう意味?」 「強いから、駄目なんだ」 …なに言っとんかわけわからん。 強かったらええんちゃうの?普通は。  
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