三章

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「まぁ、稔麿と一緒ならいいんじゃないか?」 「ほんま!?稔磨、一緒に行ってくれる?」 「さぁな。帰ってきたら頼んでみたらどうだ」 「うん、そうする」 あーあ。 早く稔麿帰って来えへんかなぁ。 私、行きたい場所がいっぱいあんのに。 あれこれ考えていた丁度その時、ガラリと店の戸が開く音が聞こえた。 「っ!帰ってきた?」 私は上機嫌で部屋を出て、誰もおらん廊下をトタトタと走った。 「としま、えぇ!?」 やけど玄関に立っとったんは、稔磨やなくて。 (そして勿論、風車の客でもなくて) 「なんで晋作やねん!」 「俺が帰ってきたらいけないのかよ!?」 ちっこい奴やった。 「稔麿は?」 「ああ…あいつ今日は帰って来ねぇよ」 「え゙ぇぇ…っ!!」 嘘ぉ!? 最悪やぁ…! 私はがっくりと肩を落とした。 「なんだよ、そんな残念か?」  
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