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「稔麿の奴そんなこと言ったのか」
「うん」
知らんかったんかい。
「あいつは過保護だからなぁ…」
感心しとる場合ちゃうっちゅーねん。
「……なら、俺がついてってやるよ」
「ほんまに!?」
まぁ、そのつもりやったけど!
「ありがとうっ!晋作」
「……っ」
なんや感謝したっとんのに。
晋作は何も言わんと、そっぽ向いとる。
まぁそんなんは無視無視。
「甘味処も行きたいし、小物屋にも行きたいし…京来たことなかったからいろんなとこ行ってみたいねん!」
「…俺が案内してやるよ。準備して来いや」
「え?準備ってなんの?」
「はぁ?お前そのままで行くのかよ」
そのままって言われても…。
藍色の袴に、下ろしたまんまの長い髪。
……なんかあかんか?
「他の着物ねーのかよ。女物とか」
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