二十三章

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「今日、お前が出ている時に医者が来てな」 蛍が飛び疲れて休憩するかのように、俺の掌に乗った。 淡い光は、今にも消えてしまいそうだ。 「傷もだいぶ癒えてきたし、あとは目が覚めるのを待つだけだ、と」 「…!本当かっ…!?」 「ああ。……だが、いつ目が覚めるのかは、わからない。明日かもしれないし、何年も後かもしれない」 桂はそう言って星空を仰ぐ。 月は木々の葉に隠れて見えないが。 「稔磨次第だ」 ―――ぽわぁ、っと。 蛍はまた飛び立った。 「…稔磨なら、大丈夫だ」 根拠は無いが、そう確信した。 稔磨なら大丈夫。きっと、大丈夫。 「そうだな」 桂も俺と同じ思いなんだろう。 大きく、頷いた。 「稔磨が目を覚ましたら………その時は、三人で、輝生を迎えに行こう」 「………」 「それまでは、見守っていよう」 遠くで笑う輝生を見つめた。 あいつ等のもとで、楽しそうに笑っているその姿。  
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