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「この世界は、人間によって創造されたものである」
とある日の昼休み。
何かがまた、今まさに目の前で始まろうとしていた。
教授やら専門家やらが言うより、胡散臭さが倍増しになって、俺の耳にまとわりつく。
「この世界には、いろんなもので溢れかえっている。でも、それはそのものが存在する前に、存在させるものがいたからこそ、存在し得るものなのよ」
何を言ってるのか、まともに授業を受けてなかった俺には検討もつかない。
かといって、そうでなければ理解でき得るものなのかは知らないが。
とりあえず、“存在”という言葉が三回出てきたことだけはわかった。
「いい具合にヒートアップしてきたところで水を注させてもらうが、何の話をしてるんだ?」
「何を言ってるの、日常会話よ」
「誰がついていけるんだ!その話題!お前の友達はどっかの学者か!」
「私の友達は、クズよ」
「俺の名前は“くすの”だ」
「だから、そう言ったじゃない?」
「いや、お前今クズって」
「あら、クズなの?」
「図ったな!お前は諸葛孔明か!」
「人聞き悪いわね」
「偉人に謝れ!」
何とも見事に、テンポよくボケをかませるものだ。
尊敬に値するなどと賛辞の言葉をかけてやる気も、超越さえぶっちぎって、一切起きない。
むしろ、それにツッコミを入れた俺を褒めてくれ。
受賞なんて大したものじゃなくても、こいつから五十円はもらえそうだ。
閑話休題。
「話を戻すが、さっきのはどういう意味なんだ?何の話だ?」
「人工世界論というものよ」
「そんなものを俺に諭してどうする?それこそ学者にするような話な気がするが」
「そうね。でも、私の考えだから、学者に本物の話を持ち出されでもしたら、面倒臭そうじゃない」
「デタラメかよ!」
なるほど。
こうして、怪しい宗教が広まっていくのか。
大して知りたくもなかった社会の知識を、一つ身につけたような気がしたが、礼を言ってやる義理は皆無だろう。
どうでもいい上、おそらく今日中に忘れるからな。
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