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「昨夜、日本各地で幼い子供が相次いで行方不明になる事件が発生しました。」
暗い部屋でテレビの光だけが青白く光る。
「この事件は先月にも満月の夜に発生しており、警察は事件とのなんらかの関係を調査しています。」
男はテレビの光に当てられ口角を上げた。
お前らにはこの事件、犯人どころか手懸かりすら見つけることは出来ないさ。見つけられるような有能な警察がいたら、俺はこんなことはしない。
男はテレビを消す。
一瞬闇に覆われ、すぐに無数の光を引き連れ月が顔を出した。
かわいそうに。人工の光なんかにお前の本当の美しさを掻き消されてしまって…
俺だけがお前の本当の姿を知っている。
だから力を貸してくれるだろう?俺の子供たちとひとつになってくれるだろう?
男はまた作業を始めた。満月の光が部屋に差し込む。時々けたたましいサイレンを鳴らして通りすぎていく赤い光に男は笑いを堪えるのが精一杯だった。
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