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「なんだい兄ちゃん、あんたも試してみるか」
「否、僕はその」
「ほら、自称王子はすっこんでろ!」
やんややんやと押し上げられ、なんとアーサーは剣を引き抜く挑戦者にされてしまった。
観衆はじっとアーサーの動向を見守り、仕方なくアーサーは剣の柄に手を伸ばした。
『あらあら、あの子本当に挑戦してるわ』
丁度その時、モルファが様子を見に来て、台に立つアーサーの姿を上空から見ていた。
勿論アーサーには全く剣を引き抜けそうな様子はなく、モルファは少し困った顔でその様子を見ていた。
一時的にでも我が主となったアーサー、手伝えるものなら手伝ってあげたいところだ。
『仕方がないわね、多少の怪我は目を瞑ってもらいましょ』
モルファは姿を消し、全速力で剣と格闘するアーサーの背中へと体当たりした。
ぱきぃん!
なんと、剣は引っ張られる力からいきなりの押される力への変動に負け、台から外れたのだ。
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