女神発生論

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「こんばんはー…どなたかいらっしゃいませんかぁ…」  扉を押しあけ、しぃんと静まり返る玄関ホールへと入っていったアーサーは、綺麗なのに人の気配のしない屋敷に少し恐怖感を覚える。 「あのぉ…」  不気味にアーサーの声が屋敷内をこだまする、どうやら本当に誰もいないらしいと悟ったアーサーはゆっくり奥へと入ってみた。  誰もいないにしては埃一つなく片付けられ、見れば柱時計も動いている。  もしや屋敷の者全員が出払っていて、何かとんでもなく恐ろしい者がこの屋敷にとり憑いていたりするんじゃないか。  それとももうすぐ此処は戦場になって屋敷も跡形もなく粉々になってしまうのか。  アーサーは一刻も早く屋敷から出ようと、へっぴり腰で振り返った。 『おんやこりゃまた…随分と肝の小さい男だねぇ』  アーサーの行動を一部始終二階の廊下から見ていたモルファは、その巨体を箒の柄に乗せふわりと一階の玄関ホールへと降りていった。 『何処へお行きだね』
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