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雨も小雨になった頃、王子は玄関ホールの階段でモルファと話をしていたアーサーのところへとやってきた。
モルファは素早く姿を消し、玄関にはアーサーだけになった。
「そろそろ私は街を目指します」
「道中お気をつけて」
送りだそうとするアーサーの背中を、またもやモルファがつつく。
それでも手を振るだけのアーサー、モルファはその尻を箒で思い切り叩いた。
「いた!」
「ん?どうかされましたか」
「い、いえ…いたい!」
モルファは一緒に行けとばかりに何度も尻を叩く。
「本当に、なにもないのですか?」
心配そうに近寄る王子の後ろ、モルファがふんぞり返り外を指さす。
「ぁー…えっと、僕も連れてって下さい。いえその…王子が剣を抜くとこをですね、見ておきたいと」
「勿論ですとも、私も誰かがいた方が心強い」
結局アーサーは追い出されるように、南のファルクスへと向かう事になった。
アーサーは歩き、王子は馬に乗りゆっくりと進む。
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