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いつも通りに学校へ行ったら、友人は幽霊になっていました。
野崎淳平、高校二年生。
あまり目立つ事は好まない、でも暗い訳じゃない。
成績優秀、これと言って問題のない普通の生徒である。
「野崎君おはよー」
「おう」
今日もいつも通りの道を歩き、いつも通りの速さで、いつも通りの学校への朝。
「お、高野」
雀が飛び交い、日の光を受けて光る木の葉が眩しい朝。
「高野君、残念よね」
「は?」
バカ騒ぎする仲間が集まりくる校庭で、今日も悪友の姿を見つける。
「そんなとぼけないで、悲しいのは分かるけど」
「いや、マジでわかんねぇって、だって…」
いるのだ、そこに。
「高野君、トラックにはねられて…即死って!!」
周り気にせず泣き出したクラスメイトの言葉に耳を疑う。
その女子の向こうに、俯き加減で立って…ゆっくりこっちを振り返って…。
『野崎ぃ~オレ死んじゃった~』
こちらを向いた高野の血塗れな顔を見た瞬間、野崎は全力ダッシュしていた。
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