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「私が姫?」
「そうさ、他の誰でもない。君がボクの姫なんだ」
私は美咲の手を取り、粉だらけの美咲の隣に座りました。
そして、その粉を払いながらいろんな話をしました。
「香坂さん…いや、恵美、ボクは君を守らなければいけない。それがボクの使命なんだ」
「あまり喋らないで、石灰が口に入ってしまうわ。それに私は守られなければいけない状況にないわ」
「恵美、気付かないか?この世は危険なことばかりだ。君が君であることをよく思わない大人達が沢山いるんだ。それに、体にしか興味のない男達。危険だらけだよ」
確かに美咲の言うとおりです。
この世は危険で溢れている。
「恵美はボクが守る。だから、恵美はボクを守って欲しい」
「私が、兎月さんを?」
「ボクに降りかかる呪いから、君だけが持つ姫の力で」
美咲の周りには、美咲を妬み呪う者が沢山います。
私はそんな美咲を姫としての魔力で守り、美咲は物理的な力から私を守る騎士になったのです。
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