幻想少女恋愛譚

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 私は美咲の血を一滴もこぼさぬように、床にこぼれたものは舐めとって、綺麗に私の中に、私は、私の中には美咲が、美咲が入ってきたのです、私もナイフを…ナイフを…突き刺しました、痛かったけど、ぐっと奥へ押し込めて、抉りだして、美咲に差し出しました。  美咲はにっこり笑って、私は、美咲を、美咲は?美咲はどこ?  美咲はどこ? 「美咲は?美咲!美咲!!」 「落ち着いて!傷に障る!それで、君は彼女の心臓を食べたというわけか」 「美咲はどこ!?契約はまだ途中よ!!」  病院の一室、意識を取り戻した容疑者の話を聞く。  ただそれだけの仕事の筈が、とんだ話だ。  姫に騎士に挙げ句の果てには血の契約だ?  最近の女学生はそんな話ばかり読んでるのか。 「美咲!美咲ぃ!!」  一週間前、学校の図書館で血塗れになって倒れる二人が発見された。  現場の様子から察するに、恵美が美咲を刺し殺害、後を追って自殺…だと思ったんだが。
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