犬と幽霊 月

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頭の中で唐揚げ位の石が跳ね回ってぶつかってる感じがして痛い。 蹴った奴は動かなくなったオレを見て少し吃驚したらしい。 水は飲ませて貰えたけど、やっぱ、なんか、理不尽。 蹴った奴は「天籠」っていうんだって。 池の上に浮いてて、たまに向こうが透けて見える。 街で見る人間とはちょっと違う服を着てて、人がいっぱい集まる時に着てる…浴衣?あれに似てる。 髪がちょっと長くて女かと思ったんだけど違った。 どうやって知ったか?それはご想像にお任せで。 「で、お前誰だ?こんなところに何しにきた」 此処じゃ食いもんとれねぇだろ、とやや睨み目で見られる。 ちょっと、怖い。 「どうせオレの言ってる事わかんねぇ癖に…人間てホント変」 「解る。馬鹿にするなよ、駄犬めが」 吃驚した。 今までオレの言葉わかる人間なんて一人もいなかったから。 「オ、オレは、月読!この山で狼になって、この山を支配する為に来た!」
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