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学校の裏門、広い運動場のある門が開いていた。
ちょっと急なコンクリートの坂を上がるとすぐに運動場。
右手にブランコや登り棒などの遊具があって、そのずっと向こうにはプールが見える。
運動場を横切って、三年生と五年生の教室がある校舎へ向かう。
校舎内はさらに暗くて、窓から覗いた教室は昼間に見る光溢れる雰囲気が微塵にも感じられない。
教室でこうなら理科室なんて…いや、トイレなんかもっと怖いんだろうなぁ…。
ボクは早足で真っ暗なトイレの横を通り過ぎ、自分の教室へと入っていった。
漢字ノートは机の上に乗っている。
さっさと取って教室を出たボクの目には、すっかり日が落ちて真っ暗になった空が窓の向こうに見えた。
早く帰ろう。
夜の学校はとてつもなく不吉だ。
駆け足気味に階段を降り、出しっぱなしになっている錆びた朝礼台の横を通り過ぎたときだった。
がんっ
何かが朝礼台に落ちてきた音がした。
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