鞠つき

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 振り返ってみると、朝礼台の上には赤い服を着た女の子がうつ伏せに横たわっている。  こちらに足の裏を向けているため顔は見えない。  まさか…屋上から飛び降りた?  上を見るも、位置的に朝礼台の上には落ちてこれそうにない距離だ。  なにより、屋上はずっと鍵が閉まっていて誰も入ることなんてできない筈なんだ。  女の子は動かない。  どうしよう、用務員さんならいるかな…?  少し後ずさりすると、ぴくり…と女の子の脚が動く。  生きてる!  女の子へ駆け寄ろうとした、けど…、何故か脚が動かない。  女の子はびくびくと痙攣しているように見え、このまま放っておくと危ないことは子供のボクにもわかった。 「ま、待ってて、待っててね!」  何とか動かした脚、ガクガク震えなかなか進まない。  朝礼台の横を通り過ぎようとする。  女の子の体がくるりと回転するように…実際はボクが動いているのに、女の子の方が動いているように見えて落ち着かない。
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