誕生日まで35日 その1

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2回3回と大きく息を吸い込み、落ち着いたのか俺の方をしっかりと見据える。 何だろう? やっぱりなにかあるんだろうな。 「今日は、生人の好きなラザニアを作りました! ご飯にする? それとも……わ・た・し?」 彼女の口から出た言葉は破壊力がありすぎて、ここだけ時間が一瞬だけ止まったかのように静寂が来る。 俺はと言うと、見た目はキョトンと鳩が豆鉄砲を食らったかのようにしているが、心の中で両腕をあげて「いぃよっしゃーー!」と喉をつぶすほど叫んでいる。 ただいまのチュウはなかったけど、やっぱり「ご飯? お風呂? それとも、わ・た・し?」は全宇宙に存在するカップルの常識。というか、息をするかのように繰り広げられている光景のはずだ! 「生人? あの……」 少しだけ、間が空いたので不安になったのだろう。彼女が恥ずかしそうにうつむきながら呟く。 俺としたことがこんな事で硬直してしまうなんて、まだまだ修行が足りないようだ。それに答えは既に決まっている! 「うん、それは」 ピンポーン! 俺の部屋のチャイムが鳴り、我に返る。当然、そこには誰もいない。俺だけしかいない部屋だ。 いいところで妄想がとめられたよ。
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