誕生日まで35日 その1

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あのあとは「お前を食べたい」って言って、そのままベッピンポーン! うるさいなぁ。居留守つかうぞ! と思ったけれど、部屋の電気はつけっぱなし。カーテンは完全に締め切っていないから、光は漏れている。このまま黙っていればそのうちチャイムを連打されてしまう。 配達ならすぐに受け取って、勧誘なら睨み付ければすぐに帰るだろう。友人たちでも容赦はしない! お茶は出さないぞ。とにかく続きを夢想しないと。 ピンポーン! 「はーい! 今行きます!」 隣に響くほど声を荒げている。甘い事を考えていただけあって、かなり不機嫌。声だけではなく、足音も珍しくドカドカと音を立てて歩いている。 「どちら様ですか……って……」 苛立ちは玄関に着いたときに消え去った。 このマンションはオートロック。合鍵がない限り、たとえ友人の風間豊であろうとも入ってこれない。仮に合鍵があったとしても、部屋にいるときには必ず内側からチェーンをかける。チェーンがかけてあれば当然人が入ってこれるスペースなどない。
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