1人が本棚に入れています
本棚に追加
こと女性に関しては窓を乗り越えて行き来できる幼馴染の女の子とか、姉や妹がいないから。いたところで彼女になっているかどうかは別なのだが。それでも、ハンデがない分有利に働くであろう! ……彼女のいない俺の妄想だけど。
元から女性はおろか男性にも嫌われやすい俺は、親友である中尾雷輝(なかおらいき)に「彼女が欲しいけど、どうしたらいい?」と聞いたら、「待っているだけではダメだ、自分から行動を起こさないと出会いはないよ」と返された。
確かにもっともだと思う。だが、俺がナンパをしようと行動するとどうなるかというと……。
30%の女性は泣き出し、30%の女性は恐怖で動けなくなり、40%の女性は警察に通報してくる。
特殊能力で『女性忌避』とかいうのが発動しているとしか思えない。
それは仕事先である、おもちゃ屋『ライフスペース』でもいかんなく発揮されている。
ライフスペースで俺は副店長をやっている。ここで、5年以上一緒に勤めている女性から「あ、ふ、副店長ぉー、こ、これなんです、けどぉ」と震えながら、顔を伏せて売り上げ報告書を出されている。ときどきチラチラとこちらの顔を見てくるのだが、これは決して恥ずかしいとか、ラブレターとかを混ぜていたとかではない! ”俺の顔が怖い”のだ。
最初のコメントを投稿しよう!