誕生日まで35日 その1

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先ほど『女性忌避』といったが、自慢じゃないが女性だけじゃない。混んでいる所にいくと頼んでもいないのに人がよけてくれたり、『笑っている子が泣き出す』『カウンターに立つと客が遠ざかる』『メデューサも目を合わせたくない』と言われ、中学3年のころには学校側から「お願いだからサングラスして通ってください」と頼まれたこともあった。 そんな俺だが友人は多い。当然その中に女性はいて、彼女達はちゃんと目を見て話してくれる。 『脳内友人』や『エア友人』ではない。 脳内やエアで作るのなら……。 「ただいまぁ!」 いつもの様に家の扉を開くと……。 「おかえりなさい、生人ぉ」 パタパタとスリッパを鳴らしながら笑顔で出迎えてくれる彼女。やっぱりお出迎えと言えば、白いエプロンだろう。 いやぁ、(妄想だけど)彼女っていいね! 今日の疲れが一気に吹っ飛ぶよ。 「今日もご機嫌じゃない。何かいいことがあったの?」 彼女の姿にニヤニヤしながら突っ立ていると、下から不思議そうな顔をして覗き込んでくる。 コレコレ! このアングル!! (妄想でも)彼女と付き合ったらやってもらいたいランキング1位! 後ろに腕を組んでいるともっとポイント高いよね!
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