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そんな彼女の頭を優しくなでながら「ひ・み・つ」と声をかけて玄関を上がる。
心の中では「お前がカワイイからだよ」なんて叫んでいる。
「えぇ~! 教えてよぉ~!! 教えてくれないと通しません!」
ぷぅっと頬を膨らませながら、すばやく回り込み両手を広げて通せんぼをしてくる。ちょっとすねたような彼女の姿もかわいい!
ここで彼女に「お前がカワイイから」なんて言うべきか? いやとぼけて「いいニオイがするな、今日の料理はなんだ?」と言うべきか?
ご飯の話題にすると「もう! ごまかさないでよ」なんて機嫌を損なう可能性が(妄想でも)ある。よし決めた!
俺は彼女の頭に手を乗せ、そのままなでるように耳から頬へ動かしたところでとめる。そして、少しかがんで彼女の耳に近づく。
ドラマとかで見て、(妄想で)一度コレをやってみたかったんだよな!
「お前がカワイイから」
ボソッと呟くように言うと……。
「キャー! もう! 生人ったらぁ!!」
顔を真っ赤にしながら、ポカポカと俺の胸を叩いてくる。
こういうのはたまらんね! 見せ付けたいね! ちょっと痛いけど。
「ほら、行くよ」と俺は奥へと進もうとするがなかなか通してくれない。
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