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彼女は「バカバカバカ~!」耳まで真っ赤にしながら俺の胸をポカポカと叩いてくる。
バカップルってこんな感じなんだろうなぁ。
いや、待てよ……ただいまのチュウがない!! これは、ご飯を噛んで食べるほどバカップル界ではごく自然な行動であり、日常茶飯事行われている! ただいまのチュウがないと言うことは非常に由々しき事態だ。なんたる失態!
ここから自然にただいまのチュウを行うにはどうしたらいい? はじめからやり直すか? はじめからはダメだ。人生はやり直しがきかない。ここから自然にチュウに持っていこう。
「ほらほら、せっかく作ったご飯が冷めちゃうぞ」
次から次へと振ってくる彼女の手を優しくとり、引き寄せる。
「あ……うん」
彼女は少し上目遣いで、目線には熱がこもっている。
――これはイケル!!
俺は音を立てずに彼女に近づく。近づくたびに彼女の手から伝わる脈が早くなっているようだ。俺も冷静を装っているが心臓バクバク。
昨日は頬にチュウだったから、今日は唇にしたい!
息遣いが聞こえるほど近くに来る。さぁ! いざ行かん! 俺は目を瞑り……。
「き、今日は、ね……生人が、食べたいって料理、作ったの」
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