はじまり

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千鶴 「まぁ、冗談は置いといて、貴明さんはここになにをしに来たんだ?」 貴明 「あぁ、俺は美乃の母親の手伝いでこの村の役場に仕事で来たんだ」 千鶴 「ほぅ。ちなみにどこの部署だ?」 貴明 「えっと、確か自然保護部門だったかな?」 千鶴 「っ!」 俺がそう言うと、千鶴は驚いたような顔をした。 貴明 「え?どうした?」 千鶴 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 美乃 「千鶴?どうしたの?」 千鶴 「あ、あぁ、なんでもない」 我に帰ったように話す千鶴。 貴明 「なにかわるいこと言ったか?」 千鶴 「いや、本当になんでもないんだ。それじゃ」 美乃 「あ、千鶴!」 千鶴はそう言うと、家の方へと歩いて行ってしまった。 美乃 「どうしちゃったんだろ千鶴。いつもと違う」 貴明 「まぁ、なにかあった気がするけど、本人がなんでもないって言ってるんだし、大丈夫だろ」 美乃 「う~ん・・・・そうだねっ」 貴明 「おぅ、てか今は何時だ?」 時計を見ると、もう夕方近くになっていた。 貴明 「ありゃりゃ、もうこんな時間か」 美乃 「う~ん、そろそろ帰らなきゃだね・・・・」 貴明 「わるいな、俺ずっと寝てたみたいだ」 確か家を出たのが10時ぐらいだから、4時間は寝てたのか俺!? せっかく道を教えてくれるって言ったのに・・・・・ちょっと罪悪感だな。 美乃 「ううん、気にしないでいいよ。私ずっと千鶴と話してたからっ!」 貴明 「え?」 美乃 「最近千鶴の家クーラー買ったみたいで、スッゴくお店の中涼しかったんだっ!」 貴明 「じゃぁ、まさか、俺を置いて店の中で喋ってたと?」 美乃 「・・・・・・・・・・・・・・・てへっ」 前言撤回。
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