宝物

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「ごめんな、呼び出して…っ!!」 会って早々総太さんに抱きつく。   「遅れてごめんなさい。会いたかったです…。」   涙が零れそうになりながらか細い声で言う。 総太先輩は突然抱きつかれたから驚いたのか一瞬固まったがすぐに抱きしめ返してくれた。   「俺も会いたかった。」   低くて少し掠れている…総太先輩の声だ…。 胸に顔を押し付けると洗剤の匂い…総太先輩の匂い。   「恭。」   体を離され、長くて綺麗な指が頬に触れる。   「会えなくて寂しい思いさせてごめんな。」 「いいえ。それより仕事終わって疲れてるのに会ってくれてありがとうございます。」   僕の頬に触れてない方の手を握り笑いかけると触れるだけ軽いキスをされた。 どうしよう…ちょっとだけ我が儘言っちゃおうかな?   「僕凄く総太先輩に会いたかったの…。」 「俺もだよ。」 「…それでね?今日会えたんだし…帰りたくないです。」   首に腕を回し抱きつきながら上目遣いで見つめる。
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