🎄Le dernier noel🎄

１２月１７日
昼の雪が降る中、ヨーロッパ風の街並みを俺は厚着をして歩く。

俺の名は『セフィル・クリスフォード』18歳、氷の魔術師で親しい人はセルと呼ぶ。

街はクリスマスの準備で大忙しだが、俺の気持ちはクリスマスどころではなかった。

今、俺は病院からの帰りだ。

別に俺の身体が悪いわけではない、俺の幼なじみ『メイ・カルスティア』のお見舞いだ。

メイは病弱で魔術も全く使えないがとても優しい娘なのだ。

「なのになんでメイが！」
俺は思いっきり壁を殴りつける。

彼女には今、流行りの『死呪』がかかっている。
『死呪』とは原因不明で、いつ、誰が、どのようにかかるのかわからないが、かかったら死ぬといった呪いだ。

ただ、わかっているのは首筋にペンタグラムが浮かぶこととかかってから死ぬのは５日～１０日の間ってことだけである。

俺は朝、メイの母親から病院に呼ばれ「死呪にかかった」と告げられたのだ。

(セル……約束、クリスマスが過ぎるまで絶対に死なないから。一緒にクリスマスを過ごそ)
病室で会ったメイの顔と言葉が浮かぶ。

俺は壁から拳を離して走り出す。

走りながら通信札を出し通信相手を念じて通信可能にする。

「バン、リア、ヨハン、エリー聞こえるか？」
「おう！どうした？」
「なに？」
「聞こえてますが……」
「ハイハーイ、どしたの？」
俺の呼び出しに全員が答える。

「今から俺んち集合、異論は認めない。以上！」
俺はそう告げて通信を切った。