ある春の日

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それは暖かい陽射しが舞い降りる春の事だった 俺、桐島雄太(きりしま ゆうた)が高校二年となった事を祝福しているかのようだ ──思えば去年は大変だったな── 入学数日後、階段で足を滑らし購買で買ったクラムチャウダーを校内一の不良先輩と謳われる綾孝博(あや たかひろ)、別名アヤタカにかけて目をつけられたり 赤点続きで男の先生とのしたくもない補習デートをしたり 校内で拾ったタバコを職員室に届けようとしたら俺が吸っていると間違えられ怒られたり…… 「大変……だったなぁ……。」 思い返せば不幸だな、勉強以外。 なんて思うが…… 「まぁそれも昨日までの話!せっかくの天気だ!街に行ってゲーセン行こう!」 思い立ったが吉日 なんて誰が作ったんだろう 俺は勿論これから起きることを知らずに街行きのバスへと飛び乗ったのだった──
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