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女子生徒の答えに、ゼロは再度頷く。
「正解だ。
が、魔法学院の生徒としては、それでは不十分、三角だ」
そう言って、ゼロは板書をしながら説明を始める。
「魔道具は、その身にある時は形はなく、ただの魔力の塊にすぎない。
魔道具は能力こそ最初から決まっているが、形を成すのは初めて錬成された時。
術者にあった形として生まれ、形状が決まる。
そして、先程も言ったが魔力の源でもある。
その身に眠っている時は、魔道具から発せられている魔力の余波がその術者の魔力となる。
しかし、魔道具を錬成すれば、武器として使えるだけではなく、その魔道具に眠る魔力を全て発揮できるようになる。
つまり、魔力のブースターとしての役割も果たすわけだ」
ゼロに質問した女子生徒がおずおずと尋ねた。
「えっと……、要するに魔道具を錬成すれば、飛躍的に魔力の絶対量が上がるってことですか?」
「そうだ。
物分かりがよくて助かる」
ゼロに褒められて、女子生徒はこれ以上ないくらい顔を真っ赤にして照れる。
「しかし、たいそうな物だが、魔道具も魔法の1つに変わりない。
つまり、その錬成には方程式が必要になる。
しかし、その方程式は各自違う。
そして、その方程式は魔力が伸びる、つまり魔道具の力をより引き出すことが可能になることで、自然と理解できるようになっているため、他の魔法と習得方法が異なる。
さらに、魔道具は詠唱破棄の単略化は不可能だ。
この2つの特異性は、試験にも出るから要チェックだ。
何か質問はあるか?」
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