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すると、教官はそこに書かれた名前を見て目を細めた。
アレスは教官の様子に不安になって尋ねる。
「あの、何か問題でも?
……やっぱりカレル先輩とゼロ先輩ですか?」
「いや、そんなことは……大いにあるな。
しかし……ふむ……。
お前たちには、今回の中で最も難しいクエストをやってもらおうか」
「「えぇ!?」」
2人は同時に悲鳴にも似た声をあげる。
「ん?お前たち、何も知らないでこのパーティーを組んだのか?」
教官がキョトンとして尋ねるが、2人は訳が分からず首をかしげることしか出来ない。
そんな2人の様子に、教官は肩をすくめる。
「カレルたちの仕業か……。
まぁいい、色々教えてもらってきなさい」
「……やっぱりハズレだったみたいだね」
ステラがボソッっとぼやくと、教官は苦笑した。
「ある意味でハズレで、ある意味でアタリだ」
「わけわかんないですよ……」
アレスは肩を落とし、教官から課題の書かれた紙を受け取る。
「お前たちはもう出発していいぞ」
「「……はい」」
力なく返事をして、2人は講堂を後にした。
カレルたちとの待ち合わせ場所は中庭で、そこにはすでにカレルとゼロの姿があった。
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